歯ブラシの毛の硬さについて
投稿日:2021年12月20日
カテゴリ:未分類
こんにちは。
まことデンタルクリニックのスタッフです。
今回は歯ブラシの毛の硬さについて紹介させていただきます。
歯科医院ではよく行われるブラッシング指導ですが、その際によく聞かれることが〝硬さはどのくらいのものを選べばいいのか?”です。
これについては2013年にGreggianin先生等から出された論文を紹介いたします。
ここでは14歳から20歳までの学生35人を対象に、軟毛ブラシと中程度の硬毛ブラシをそれぞれ28日間使用してもらい、歯肉への外傷についての変化を見たものです(正確には他の項目も見ていますが、今回は省略いたします。)。
歯肉への外傷の結果生じるクレフトと呼ばれる歯肉の異常形態の発生率をこの研究では観察しています。
実験期間中約25%の患者に1ヶ月に及ぶクレフトの存在を確認し、その発生率は軟毛ブラシよりも硬毛ブラシの人の方が2倍多かったとしています。
また軽度の歯周炎がある人ではその発生率は5.19倍とかなり高かったとしています。
このことから、硬毛ブラシの方が歯肉を傷害するリスクが高いと考えられます。
またここから派生させて考えると、クレフトの存在はプラークコントロールを難しくさせるため、歯周病のリスク因子にもなり得ますし、歯肉への外傷は長期的にみると歯肉退縮にも影響すると考えられます。
そのため、硬毛ブラシは歯肉への外傷だけでなく、長期的に考えると歯周病のリスクにもなりかねないということです。
ただし、柔らかすぎてはプラーク除去効率は落ちてしまうため、プラークを除去できる程度の毛の硬さは必要になります。
市販の歯ブラシの毛の硬さは〝やわらかめ”、〝普通”、〝硬め”などで分かれていますが、メーカーによって、ブラシの種類によって同じ〝ふつう”でも硬さは異なる場合が多いです。
また、歯周病の程度や何を目的にするのかでも、選ぶべき歯ブラシは異なってきます。
自分に合った歯ブラシはどのようなものなのか気になる方は、この機会に是非まことデンタルクリニックにお越しください。
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